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紹介文3『般若』

第三回は般若さんです。

 

『般若』

 

この回は、アルバムを指定しません。私が、色んな所から三曲引っ張ってきて紹介したいと思います。

般若さんの音源で、勇気づけられたり、背中押して貰ったりという人は多いと思います。

一発入魂といった感じがする音源が多いですが、独特のユーモアを含んだ面白い音源もあるので、枠に捕らわれない人という印象を受けます。

リリックの中に使われている言葉は、とても分かりやすいものです。だからこそ、そこに込められているメッセージ性はストレートに私たちの心に届いてしまうのではないでしょうか。

私の説明書きだとだいぶ綺麗に書いてしまっていますが、分かりやすい言葉であるけれど、般若さんのリリックは、決して綺麗な文章ではありません。語弊があるといけないから、例えを挙げるなら、コピー機で印刷したような文章ではなく、血で書きなぐってある文章だということです。そこには、生き様が滲んでいます。

そんな、生き様が反映された音源から、今日は、もう、全部嫌になってるあなたに送る般若さんの音源を紹介します。

 

この紹介は、0を1にしたい人にこそちょうどいいかもしれません。

 

【世界はお前が大ッ嫌い】

 

"夢など無え いつからか 壊れた時計 動くならば"

"戻ってほしい 心から 気付かない あの時はまだ"

"人の意見 感じるズレ 少しずつ効かないブレーキ"

"分かってる でも譲れん ソコだけは引けねえ 宿命"

"Twitterみたく1人呟く 巨大な壁に今ぶつかる"

"過去は何故 時にうるさく 表 晴れても 胸 複雑"

"間違った行き先でも 船は進む 沖に行く"

"名も無き花 携えて 体ひとつ 置きに行く"(1)

 

この曲はアルバム「BLACK RAIN」に収録されています。これはリリックの冒頭です。このリリックに共感する人は、友達を無くしたり、嫌われたりしたことがある人だと思います。そして、性格に難がある人です。別に、それを、非難したくて、書いているのではありません。何故なら、私も共感するからです。

失ったものが失う前に戻るならと思うのは、無くしたものの価値が分かるからです。

時計は止まったまま動かないのは、壊れてしまっているからで、後悔が歩みを止めてしまっているのです。

救われない冒頭です。

人と心がすれ違い、結果、人を傷つけたことのある人なら、こんな事を感じたことがあるかもしれません。結果が出てから、間違ったところに進んでしまったことに気づく、自分は傷つけるつもりなどなかったのに…。

最初から相手の思っていることが分かれば、こんなことにならなかったのに。

思っていることは分からないのに、相手が傷ついてしまったことにはとても敏感だから、後悔し、自分の行動に苦しむのです。

 

それは2バース目によく出ています。

 

"クリスマス サンタが来るか 耳澄ます"

"心が見える サングラス それが欲しい 出来りゃ2つ"

"お互いかけて 黙り合う 叩き割り たまにあう"

"この道が2つあれば そしていつか ひとつになれば"(2)

 

傷つけたくないから人の心を知りたいと願うけれど、実際に見たら、それはそれで後悔するのかもしれません。ただ、もしも、分かったら、自分の時間を進めることには、躊躇しません。

 

"友達じゃない 恋人じゃない 家族? 血のつながりもない"

"世界はお前が大ッ嫌い 味方が居ない 仕方が無い"

"イキがってても しょぼくれたLIFE 認めちまったら怖くはない"

"敵は一秒先の未来 失う物などとっくに無い"(3)

 

これはフックです。はっきり言って絶望的な現実が並べてあります。すれ違いを続けた結果は何もない。味方も誰もいないと。

"敵は一秒先の未来"

とにかく次に進むことに躊躇いがあるからこんな言葉が出るのです。

何も無いとは本当に0なのです。このリリックの未来は足し算じゃなくて、掛け算です。0にどれだけ時間を掛けても、答えは0。時間だけ進む、空回りの前進をすると未来を想像したのなら、誰だって時間が進むことを恐れると思います。
0の人がこの曲を聞く意味があるのだとしたら、現状を理解して0を1にすることを少しでも考えられるようにするためにだと思います。

それは、3バース目まで聞けばそう思えると思います。3バース目は少しだけ前向きになろうとしている変化があるからです。それは、聞いて感じて欲しいので、最後までは紹介しないから、気になる人は聞いて見てください。

 

 

BLACK RAIN

BLACK RAIN

 

 

最後まで、聞いても、なお、踏み出す勇気が出ないなら、アルバム「グランドスラム」に「ビビりながら」という曲があります。
この曲を聞くと、未来が見えなくても前に進む事の大切さが分かると思います。だから、合わせて聞いてみていいと思います。

 

次の曲に行きましょう。

 

【夢の痕】

 

"何かが違う だからオレは去る やっぱ道は真っすぐしか無く"

"街は歌う 足音が Clap 小さくてもイイ花を咲かす"

"突き抜けるような青い空 いつかソコに行きてえよな"

"我慢誤魔化し騙す程 でっかくなって行くそして現在"

"オレは黙る事にした 本当に笑う時までもがく"

"全て燃やす屁理屈とか 風と戯れ未来と化す"

"何を求め誰を想う?目を開けても見えないかも…"

"じゃ、閉じた時には楽になれる?金で買える?くそったれ"(4)

 
この曲はアルバム「ドクタートーキョー」に収録されています。

目指した夢の一つの完成形が見えた時、その形が納得出来ずとも、それは何らかの形を成します。

一つの目標に向かって進めば、何かしら出来上がるし、成果として残ります。

形に納得出来ない、何だか上手くいかないそんな時にどうすべきか分からない時に勇気が貰える曲です。

そんな状況を考えた時、打破する方法は一つしかありません。
それをぶっ壊すという事です。

私は、0を1にする曲を紹介すると言いました。普通に考えれば、これは逆です。1を0にしていると考えることも出来るかもしれません。

ただ、私はこのように考えました。

これは、"破壊と再生"なのだと。

だとすれば、0を1にする曲だと私は思うのです。

"破壊と再生"は人生において重要な要素です。そうすることで前に上に進んでいくのだと私は思います。

 

"夢の痕 満天の星"

"見さしてくれ 一瞬でイイ"

"パッと咲き サクッと消え"

"誰でも見える クソでも見れる"×2(5)

 

 

色んな夢を壊して出来た夢の痕、それこそが満天の星なのだと思います。そうなって欲しいという願いがこのフックには込められているような気がします。

出来た物を壊すことは容易くありません。時間をかけたからこそ、思い入れがあります。

でも、今あるものを壊す事で新しく得られるものがあるのだと信じて行動しなければ、何か得る事は出来ません。その先に何も無いと仮定して進まない事こそ、何かを得る機会を失う原因だからです。

自分の信じるもののために、何かを壊さないといけない時、そんな時に聞いて欲しい曲です。

真に動じない人というのは、信念の為に、時として犠牲を払う覚悟のある人では無いかとそう感じる事も出来ます。

 

さて、ここまできてこんな事を書くのもアレですが…今回、真面目に書きすぎてる気がしなくも無いです。ユーモアがあまりありません。でも、たまに、そういう時あっても良いと思います。ていうか、ここまで読んでる人は気づいたかもしれないけど…私は決して変な人では無いのです。ちょっとクズで真面目ではないけど普通の人なんですよ。

最後の曲に行きましょう。


【最ッ低のMC】

 

"ギドラ ブッダ 雷 ペイジャー オレが狂ったのは奴らのせいさ"

"M.O.S.A.D.「If I...」オジロ「Hey Girl」姉ちゃんよりもイカレたHATER"

"YouTube Myspase 2ちゃんにMixi オレが狂った最ッ低のMC"

"スキップしながら突っ込む歴史 忘れないでね 消えても"(6)

 


この曲はアルバム「HANNYA」に収録されています。般若さんと言えば…で、考えた時に、上位に上がる曲の一つだと思います。クラシックです。

"最ッ低のMC"は般若さんのそこに至るまでの成り立ちがよく分かるリリックです。

シンプルに…自分を最低だと思っている人に聞いて欲しいです。

なんか凄くパンチのある言葉を書いてしまいましたが、自分が最低と思うことの一つくらいあると思います。

最低だと思う事は0です。でも、この曲を聞いたなら、1に出来ると思います。

当たり前ですが、最低は罵倒語です。相手に対するブーイングです。でも、自分は最低のMCだと般若さんは名乗っています。

しかし、それがもっともこのリリックの優れた所なのです。

最低と自分から言うのは、逆に最強のパンチラインです。

それ以上攻めようがありません。

例えば、汚職した政治家が、

「私は汚職した政治家です!最低ですね。」

と堂々としてたら、嫌だと思います。私も嫌です。

でも、仮に、汚職した政治家が、その金で外国で商売して倍にして、救われない庶民に配ったとかなら、逆に格好良いかもしれません。

(あくまで例えです。)

最低、つまりは0それどころかマイナスな要素を持ち合わせても格好良いと思えるのは、その人が、振り切っている部分を持ち合わせているからです。

この言葉は諸刃の剣です。
値が何処か振り切れているから最高に格好良いと思えます。

だから、最低でも構わないから、格好良くあればいいんです。

その時初めて、最低という言葉が最強のパンチラインになります。

そして、自分の最大の弱点も、強さに変わるのだと思います。

そんな感情をこの曲に抱きます。

 

"サガミよりオリジナル 耳にしとけコンドーム 流せ「とんぼ」"
"みんな頂点 狙う当然・・・って ちょい待ち PM5:30 付けろ「笑点」"
"カッコ付けラップショウよりも本音で貰う座布団"
"1枚2枚 機材も2台 無ければアカペラ 速攻お見舞"
"ヤバけりゃHands Up 勝手に連鎖 オレ達は戦車に乗ってるメンバー"
"巷のパーティー それより外ヘ モタつく奴には下からウォシュレット"
"メディアが政冶?  だからどうした?King Of Stage 目指し Don't Stop"

"一生バトル シクればアコム ビートが運ぶ 未だに加速"(7)

 

般若さんの曲を聞いたとき、私は全く後悔を感じないで前に進んでいるという印象は受けませんでした。でも、ブレーキがついてないと感じてしまうほどの、決断力があるから、人によっては、後悔しないで前に進んでいるように感じる人もいると思います。
多分、前進する時のアクセルの踏み方は躊躇とか無く、全力なのだと思います。それは格好良く、ある意味で狂ってる程前向きな姿勢です。だから、人の背中を押すのかもしれません。

 

HANNYA

HANNYA

 

 

この紹介で、あまり「グランドスラム」の紹介を出しませんでした。

あれは、制覇したところから見る景色だから、1になった時に、聞く方が感慨深いと思ったからです。

特に「あの頃じゃねぇ」は格好良いです。私も好きです。紹介にいれようと思ったのですが…既に1の人が0の時を語り、1を2にする為に背中を押す曲だと思ったので今回は紹介に入れませんでした。

ただ、とても、良い曲です。
気になってる人は「グランドスラム」を買ってください。
ちなみに、私が最初に買った般若さんのCDは「グランドスラム」です。
0が1になった時、きっと聞こえ方は変わるのでは無いでしょうか。

 

グランドスラム

グランドスラム

 

 

 

今日の紹介はこれでおしまいです。

読んでくれたらありがとうございました。

 

 引用

 『BLACK RAIN/般若』より『世界はお前が大ッ嫌い』...(1)(2)(3)

『ドクタートーキョー/般若』より『夢の痕』...(4)(5)

『HANNYA/般若』より『最ッ低のMC』...(6)(7)