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悪役/DOTAMA

人の二面性はいつから出来てしまうのかは分かりません。
生まれた時は、裏表無く生きているはずです。
銀に差した煤が錆びた裏面をコインに刻んだように、突然、闇は心の中を蝕むのかもしれません。

悪役/DOTAMA

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このジャケットの表紙で演じられているのは"トゥーフェイス"です。
トゥーフェイスは映画ダークナイトの登場人物です。
そして、ダークナイトは悪を帯びた人物達が活躍する物語であります。
ジョーカーは純粋な悪人であり、世界を混沌に陥れようとします。
バットマンは法を超越して、悪人には暴力的制裁を加えるダークヒーローです。
では、トゥーフェイスはどうでしょうか。
以前は正義の下に善を遂行していた人間が裏切りと憎しみから、正義が狂い、悪の一面を生み出してしまいます。彼はまさしく悪役で、自己の苦しみから、行動を正当化して、世界を壊していきます。
そんなキャラクターを表紙に持ってきたDOTAMAさんの3rd Album『悪役』は11曲+ボーナストラック1曲の全12曲で構成されています。
悪役を冠するアルバムだけあって、ブラックな印象が強い曲も収録されています。
12曲すべてに個性があり、とてもバラエティに富んでいます。

 


1,ディスっていいとも

 

I'm DOTAMA ディスの達人 レクチャーするぜ ディスの価値


"DOTAMA"というラッパーを構成する一つの側面として"ディスの達人"という面は切り離すことが出来ません。2017年にUMBを制し、15年もディスとは何かを考えて来たからこそ書けるリリックです。"悪役"の冒頭を飾るこの曲でも"悪"について、触れています。
それは、些細な過ちを指差して笑い者にするような悪意を持った言葉についてです。
遠くに離れていても、ネットに接続してしまえば、まるで、誰かが隣にいるように、簡単に発言が出来てしまう世の中だからこそ、悪意も簡単に届いてしまいます。
そういった悪意をこの曲はディスっています。
人を叱咤する言葉には、気遣いと敬意を持って、送る相手への思いやりが大切だと考えさせられます。

 

2,悪役

「どいつもこいつもクソったれ 御託を並べまくるクソだらけ 不快にさせてホント面目ねぇ でも俺にはあるぜ 正当性」

面倒くせえ けれども gentleman 奴らがこの世界には溢れてる

それは悪役 嫌なヤツは叫べ


ここで語られる悪役とは、とんでもない悪人の事ではありません。
日常の中で、誰しも持っているかもしれない人格、それが悪役です。一曲目、"ディスっていいとも"では悪意ある言葉をフィーチャーしていますが、"悪役"では、悪意ある人格について綴られています。正当性を盾に、揚げ足を取り、人を批判する。
炎上させて、注目を集め、倫理観など無視しても、たくさんの人の輪の中心に躍り出る事がネットによって顕著になったからこそ、悪役はこの世の中に多く蔓延る事になってしまったのでは無いかと思わせてくれます。
倫理とは人間生活の中での秩序の事ですが、悪人は現実でもそんなものは知ったことではありません。一方、この曲の悪役は常に実体の見えないところで、倫理を無視している印象を受けると思います。普通の人の中に潜む悪意が顔を出して、実体のない場所では大きくなって、それが悪役になっているのかもしれません。そんな悪役をディスっているこの曲は、現代のつながりの見えにくい社会を風刺したディスの達人、DOTAMAさんらしいリリックであり、自分もまた気付かないうちに悪役の顔を出していないか、悪役に加担していないか考えさせられます。現代のネットが発展してしまったが為に作り上げられてしまった悪役は、まるで、トゥーフェイスの二面性のように環境が生み出してしまった悪なのかもしれません。

 

3,栃木のラッパー2

国道を往復する人生が夢を運んだ あの頃の生活を振り返り思うんだ

あの時の皆やhiphopがあって俺がある I'm 栃木のラッパー

有り難うございます


「ニューアルバム」に収録されている栃木のラッパーの続編。地に足のついたドキュメントは、デジタルよりずっと鮮明に人をリリックに映し出します。DOTAMAさんの原点はどこにあるのだろうと言えば、それは、確実に栃木だと言えます。前作「栃木のラッパー」では、栃木と東京を往来する寂れた街の風景の中に、ラッパーとして生きることへの問いが含まれて、先の見えない漠然とした現実がありました。今作「栃木のラッパー2」でも、同じく、続けて何になるというフックの書き出しをしていますが、覚悟や決意が一層前向きに現れています。時の経過とともに葛藤が増す日々、地元や出会った全ての人々への感謝が分かるリリックには、メタファーなど無く、淡々と自分の人生を言葉が再現していきます。ヒップホップとは無縁なホームセンターで働いた10年も、辞めてしまった後のフリーター生活も、地元のクラブやライブハウスでの日々も、全部が彼をラッパーとして下支えする大きなかけがえのない記憶であることが分かります。好きな事をずっと続ける事は時として難しく、挫折しそうな日々もあるそんな日常はとてもリアルに私達の日常にも迫り、生きていく事の意味を考えさせられます。

 4,SUBWAY

吸い込まれる階段 辿り着く改札

通って下へ 降りて行くだけ 東京メトロ 都営地下鉄

「危ないですから黄色い線の内側までお下がり下さい」

東京アンダーグラウンド 人を乗せて進め 走れ SUBWAY


地下鉄の絵をどこまでも客観的に描いて、風景も日常も取り込んだ、精細な構内図のような緻密なリリックです。
地下鉄は私達の身近にある乗り物の一つですが、首都圏の地下を幾重にも巡り、多くの場所にリンクしています。
様々な場所にリンクしているからこそ、その情景は車窓から覗くように忙しく、ザッピングするようにどんどんと切り替わって行きますが、実際、駅で人の行き交う様が切り抜かれたようなリリックは、その場にいるような気持ちになれます。そして、よく利用するからこそ、根底には地下鉄への感謝が感じられるところには、真面目な性格を感じてしまいます。

 

5,スーパーノヴァ

輝きまくった100億年 思い残す事は何も無え

そう思えるまで光れ  f☓☓k off  スーパーノヴァ

 

宇宙の話というのはどこか壮大で、それがノンフィクションの事象であっても、SFのように感じてしまいます。
自分が立っているこの場所も、よくよく考えてみれば、銀河に内包された一部なのですが、地上から見上げる空の星はあまりに遠すぎて、現実離れしているように感じてしまいます。
スーパーノヴァとは、リリック中ある通り超新星の事で、一つの星が消滅するときの最後の光の事です。その光は星が生まれる時よりも輝くそうです。
この曲では、そんな最後の光と人の終生が交差したリリックが提示されています。
星は私達が生まれるよりずっと前から存在していて、輝いているにも関わらず、それを気にも止めず、私達は生きています。そして、最大出力でその光が放たれてもその注目が変わることは無いでしょう。そのどこか儚いけれど、力強い光に自分を置き換えたメタファーはファンタジーを帯びつつも写実的なリリックとも言えます。シビアな事も書いてありますが、星の一生で一番輝く光のように、今日一日を輝いて生きようと考える前向きさは、一生懸命生きていこうとする人の明日を肯定してくれる曲だと思いました。

 

6,謝罪会見

謝罪するかさせるかの現代社会 お詫びに限界はない

クレーム野郎 バイバイゲーム 全員で 謝罪会見


こちらの曲は悪役よりも前にリリースがあった曲ですが、トピックが似ている部分があります。悪役が批難する側を描いていますが、こちらは批難される側に重きが置かれています。
何か問題が起きれば、謝罪を要求し、それに答える事で事態を収拾しようとする事が多過ぎて、謝ることが形式的になってしまい、何だか本末転倒のように見える事があると思います。
何故、謝らないといけないのかも分からなかったり、心の中で自分が悪いとは微塵も思っていなかったりする事でも、謝らないといけない場面というのは、社会の中ではよくあるシーンで、自分もそういう気持ちになった事がある人はいると思います。
そんな理不尽さに同情してくれる曲でもありますが、同時に、そんな気持ちを正当化してしまうのを憚られる気持ちにもさせられます。謝罪を要求する側への、一番のパンチライン"正義病のクルセイダーズ"は、理不尽な思いをした事がある人にとっては、気持ち良さを感じてしまいますが、同時に、それは思いやりや気遣いには欠けた言葉であることに気付かないと、自分自身に返ってきます。
どんな場面、どんな立場でも、言葉には思いやりを持って、相手に投げかける事が出来なければ、最終的に謝罪の意味、許しを得る事の意味は希薄になってしまうのではないかと考えさせられた曲です。

 

7,敬語でRAP

敬語でRAP 敬い歌う 敬語でLIFE 敬い生きる

どう伝えて良い 初対面に もう1回言ってイイ 超快適

どう伝えて良い 初対面に もう1回言ってイイ 超快適


アルバムの内容にディス曲が多いため、内容に意外性を感じますが、リリックやフローにはDOTAMAさんらしさを感じる曲だと思います。ディスの中にもリスペクトを持ちながら、人をディスる事を常々考えているからこそ、敬語について考えた曲が作れるのかなと思いました。
相手への敬意を示したり、失礼の無いようにと使う敬語ですが、時に煩わしいと思うくらい使い方が様々です。それでも、使うことで相手への気遣いや誠意を分かりやすく伝える事が出来る言葉でもあり、きちんと使えると美しい言葉でもあります。また、その着眼点の面白さに感心してしまう曲でもあります。

 

8,雑言

雑過ぎる一言 やっつけ過ぎるでしょ ホント

「だってメンドクセーもん 他人の事」とかうっせーよ

他人事は人殺しくらい酷いコト 「ビットコイン

教えてなりたい億万長者 他人の事などどうでもいい」


7曲目の敬語でRAPとは、まるで逆のイメージの曲です。
無関心が生む適当さ、人への思いやりの薄さから発される言葉が雑念です。敬語でRAPは、人に対して思いやることと、丁寧な扱いをした言葉で人をもてなす素晴らしさが伝わると思います。この雑言では、自己中心的で適当な言葉を並べる人に対して忠告を発しています。
特に顔の見えないネット社会では、相手の反応が分かるようで分からなかったりする為に、雑な言葉というのが使われる機会も多いです。
嘘か本当かも分からないSNSでの一言、わんさかある儲け話、フェイクニュース、ネットには保証の無い情報が数多くあります。単純に人が食い付きそうな情報は誠意や気遣いが無くても、損得感情や、人の射幸心を煽るような事があれば、一定の感心が集められます。
別に人を罵倒する罵詈雑言を言っている訳では決してありませんが、ある種、悪質であり、人に良い影響をもたらす言葉ではありません。
なにぶん、雑言というのは雑であるため、全く嘘とも言い難い事が流布していたりすると、軽く真実味を帯びてしまい、虚像が実像を得て、大きくなってしまい、それが拡散されると、どんどん雑言は増えてしまい、とても厄介な存在になります。そして、結局、雑言を言ってしまえば、雑言は自分に返って来てしまいます。それは、どんな言葉にでも言える事だと思います。
只でさえ、世の中に溢れ返っている雑言を増やさない為にも、自分から発信する言葉には責任を持ちたいと思える曲です。
タイトルは雑言としていながらも、その内容は、今の世の中にある悪い面での全体像を捉えていて、そこに思いやりを持ってディスっている姿勢の根本には、責任を持って忠告する事で、少しでも聞いた人が良い方向に言葉を使える人になって欲しいという思いが7込められているのかなと思いました。

 

9,TECHNICS feat. SAM, MAKA & NAIKA MC


タイトル通りテクニックを見せつけるように、北関東4MCのスキルフルなラップで聞いた人を魅了します。
4人の共通点はバトルMCという点だと思います。MCバトルで鍛え上げられた強さをラップスキルの根底に感じる事が出来ますが、それだけでなく、各自の個性が活かされていて聞いていて楽しく飽きの来ない曲だと思いました。

1バース目は、SAMさんとMAKAさんの二人が飾っています。


〔MAKA〕

so mi go so dem mi a deejey!! 唯一無二のstyleで畳み掛ける

priceはlessでsmileがでる 聴覚にかけてぐspiceだぜ


明るい人柄を感じさせる威勢のいい元気なラップをしています。聞いていて楽しい気持ちになります。レゲエのフローはリリックとの相性も良く耳に残ります。


〔SAM〕

横から失礼割り込み乗車 集う四人衆 tightでno dought

情景を描写 楽しみたいなら首ふりな坊や


TECHNICSというタイトルに適うリリックで、タイトに韻を踏んでいます。英語で綴られている描写はビートの上でとてもリズミカルに言葉を連ねています。比喩と攻撃性を伴ったリリックはクールに聞こえるけれど、熱いです。

 

2バース目はDOTAMAさんとNAIKA MCさんです。


〔DOTAMA〕

戦隊モノ 漫画のキャラ どんなメタファーもハンパの無さ

y'all know my steelo スキル持つ 四人衆 fake ご臨終 


オリジナリティー溢れたユーモアに満ちた言葉でリリックが綴られています。現実をメタファーで独特のファンタジーに変えて彩ります。何種類も変化球を持っているような多彩なフローも凄いです。


〔NAIKA MC〕

諦めの悪さ 超一流 まずは目の前の今日生きる

俺のがヤバイと言い切る 現場叩き上げ それが理由


北関東BLUESでも感じると思いますが、最後まで諦めない姿勢がいつもリリックに滲み出ています。負けても勝っても戦ってる姿が胸を打ちます。人生の道のりをあるがまま熱く語りあげる言葉がカッコ良いです。

 

最終的に北関東4MC全員で3バース目はラップしています。
4人で交互にパンチラインを打ち込んで行き終盤は物凄く盛り上がります。MVがYouTubeに上がっていますが、Beat Buddy Boiの皆さんのダンスもカッコ良く、テクニカルな曲と相性抜群で見ていても楽しいです。


DOTAMA『TECHNICS』feat. MAKA, SAM, NAIKA MC(Official Music Video)

 

10,音楽ワルキューレ3

音楽の女神は気まぐれ 全てのアーティストが君を待ってる
素敵な曲を作って 歌って 君のコト 待ってる
女神は気まぐれ でも 俺もずっと 君のコトを待ってる
最高のLIVEで 俺には君だけ 振り向け ワルキューレ


15年、人をディスってきたのと同時に、音楽業界でも同じ時間戦ってきた事が分かるリリックで、曲と共にその軌跡を辿る事が出来ます。
一人のラッパーを取り巻く環境として、音楽不況の形はどのように影響を与え、変化していったのか、"音楽ワルキューレ"という三作の曲を通して歴史の変遷を感じる事か出来ます。
一作目「音楽ワルキューレ」では、既に音楽はCDとして形を持たなくてもダウンロードすれば簡単に手に入る時代に、CDの価値や一曲の価値は何かと問いを投げ掛けています。"音楽に値札をつけたのは誰かのミスだった"という印象的な言葉があるように、商業的な音楽の価値としてシビアに金銭的な価値もついて回る中で、音楽を続ける事の葛藤と戦っているような印象を受けます。
二作目「音楽ワルキューレ2」では、一作目の環境を受け入れつつ、音楽不況の中でも、負けることはなく自己表現してきた事が綴られています。音楽の女神は様々な音楽を一人のラッパーにぶつけては隙さえあれば処刑を迫ってくるような存在ですが、一作目の時以上に音楽そのものも発信されるプラットホームも進化し続けていく中で、音楽が飽和しているとも取れる現状と新しい音楽が新たなインスピレーションをもたらす現状のカオスさの中では共存していた事が分かる曲です。
そして、今作「音楽ワルキューレ3」 では、少し意外な冒頭ではじまります。音楽不況ではなく、経済不況でワルキューレが失業すると綴っています。
年数を重ねる毎に、音楽は形式に拘らないで配信できるからこそ、一曲の拡散されるスピードも上がり、誰でも音楽を作る事が出来る事から、プロアマ問わず、その数も増えていきました。配信のプラットホームがSNSであり、動画配信サイトであったり、手軽に自分が作ったものを配信出来る時代において、単純に競争率が上がっている事を、この曲を聞いていると伝わります。
何より、無料でクオリティも高い曲が聞ける環境は、一作目「音楽ワルキューレ」で投げ掛けた"一曲の価値"や"音楽の値段"が崩壊しつつあるように感じてしまいます。
技術の発展がもたらしたのは、音楽以外の娯楽文化についても同じ事で、映画や動画、ゲームなどデジタル上で簡単に無料や定額配信で娯楽を得ることが可能になりました。
別に、音楽を聞かなくても代わりは他にもあるし、音楽自体にお金をかけなくてもクオリティの高いものが手に入ってしまう現在において、一曲の価値を追求していた音楽の女神の存在は隅に追いやられてしまったのかもしれません。
それでも、DOTAMAさんにとっては、音楽の女神とは、『全てのコンテンツは 君がいなきゃ始まらない』とリリックにあるようにかけがえのない存在なのだと分かります。リリックのどこかしらでは、いつも心に置いていてくれたのではないでしょうか。では、音楽の女神にとって、一つの曲は何だったのかといえば、それが世界で居場所だったんだと思います。だから、一曲の価値を追求していたのではないでしようか。素晴らしい世界が広がるように。
音楽の女神が振り向くのか振り向かないのか、それは、誰にも分かりません。ただ、一途にその姿を追う姿は、とても音楽にストイックなアーティスト像を映していて格好良く感じます。

 

11,ハピネス

「あなたの幸せなんですか?」って質問が嫌だった

見つからねえし 宗教くせえし 探すのが怖かった


この曲は、"幸せ"について書いています。ボーナストラックを除いて考えるとこれがアルバムの〆です。
幸せになる事は、人生の根本でありそれは人生の最終到達点だと考えれば、これは正しくエンディングなのだと思います。
この曲は、自分にとっての幸せが何かを一緒に考えてくれます。
ここに至るまでの10曲、様々な姿のDOTAMAさんが反映されていたと思います。時として人をディスり、時としてリスペクトし、アーティストとして、ラッパーとして、存在を主張してきました。"悪役"というタイトルをなぞって考えるなら、10曲あれば10の役がそこにあったと思います。でも、その役は決して演じているのではなく、本人の人格として備わっているものだと思います。

そして、そのどれもが幸せの形を求めて、言葉を連ねた思いやりのあるリリックだったのではないかと思います。
この曲にある日常描写は、等身大で飾らない素の生きざまが描かれています。それでいて、幸せを真正面から受け取れず、どこか皮肉めいた考えをしてしまう感性を、不器用に感じてしまいます。
それでも、全ての人の"幸せ"を願っている曲は、とても優しさに溢れています。
人生の中で上手くいったり、いかなかったり、それを、行ったり来たりして何回も繰り返して、悩んで、ようやく前に進むような生き方を色んな人がしていると思います。そういう風にして、悪戦苦闘している毎日が幸せな事で、幸せになろうとしている限りは、不幸せがあったとしても、本質は幸せなのではないかと感じる曲であり、とにかく生きていれば良いんじゃないのかなと思わせてくれて、元気になれる曲です。

 

12,俺たちゃ妖怪人間!~人間目指して何が悪い~

平成の世に生きる come back 俺たちゃ妖怪人間なのさ

wanna be human wanna be human


アルバムのボーナストラックとして収録されています。
「Y☆KAI WATCH」は非公式でしたが、別な妖怪アニメで公式アニメソングになってしまいました。(2017年10月~2018年3月「俺たちゃ妖怪人間」)
妖怪人間ベムといえば、キャラクターのおどろおどろしい雰囲気が妙に印象に残っている昭和アニメですが、トラップ調のビートがその雰囲気にぴったりと合っています。元の歌詞を上手く残しつつ、ヒップホップカバーがされています。多彩なフローを持ち、色々な声色でラップ出来るDOTAMAさんの特徴が活かされています。DOTAMAさんは、妖怪とかモンスターとか怪物とか…見た目に反して、そういったテーマの曲が多い印象を受けるのですが、これからも、増えていくのでしょうか…。
ちょっと期待してしまいますね。

 

悪役12曲の感想を全部書いてみましたが、全体を通して思った事は、この3rdアルバムに至るまでの期間、世の中の事、自分の事に目を向けて緻密に作り上げたリリックが詰められているという事です。
ところで、ジャケットのトゥーフェイスはとてもおどろおどろしく、表面的には怖さを感じる仕上がりだと思いますが、果たして、彼は、本当に、悪役だったのでしょうか?全部の曲を聞いてみると、そんな気持ちを抱きます。
元のトゥーフェイスのキャラクター像は裏と表の二面性を表していると私は思っているのですが、ジャケットのトゥーフェイスは善と悪の二面性を表していると思いました。アルバムに収録されている曲は、人生の中で得た感情が生み出した人格で、全てが幸せになる為に前向きに物事を考えた上でリリックを綴っているように感じます。むしろ、悪役ではなくてダークヒーローなのではないでしょうか。今の時代に蔓延る人の中にある悪意が表面化した悪役と言葉で戦いつつ、腐った世界を壊していくそんなダークヒーローです。その生き様が記されたこのアルバムはまさに力作です。

 

読んでくれたらありがとうございます。

 

【トラックリスト】

01.ディスっていいとも pro. Quviokal
02.悪役 pro. DOTAMA
03.栃木のラッパー2 pro. クロダセイイチ(Genius P.J's)
04.SUBWAY pro. Masayoshi Iimori
05.スーパーノヴァ pro. imai(group_inou
06.謝罪会見 pro. Quviokal
07.敬語でRAP pro. 食品まつり a.k.a foodman
08.雑言 pro. ANIMAL HACK
09.TECHNICS feat.SAM,MAKA,NAIKA MC pro. Quviokal
10.音楽ワルキューレ3 pro. RhymeTube
11.ハピネス pro. RhymeTube

ボーナストラック

12.俺たちゃ妖怪人間!~人間目指して何が悪い~

DOTAMA – 悪役 | 術ノ穴

 

悪役

悪役