日本語ラップ.xyz

日本語ラップの感想を書いています。

般若「話半分」/11.君が居ない

般若「話半分」/11.君が居ない



バックミラーに消えていく
君の背中をただ黙って見た

抜け落ちそうな空の下で
アクセルを踏んで景色が変わろうと

この場所から消えていく
俺たちの存在とか二人の時間とか

君が居ない 眠らないこの町で




般若「話半分」より「君が居ない」



道を遮って草木が成長し鬱蒼としているかのように、無情に伸びたビルの影に埋もれそうな背景があるかのように、追い越し様の風景には後悔や切なさが入り交じる。
その距離が開くたびに、交錯する感情は、その一直線上にあって強烈に思い出させるようだ。
眠らない町の明かりは、その影を照らすが、同時に、消え去ったもう一つの影も浮き彫りにして、その存在を残酷に知らせる。
明けない夜のなかに、"君"ごと封をして、そこに風化しない思い出だけを残して、切なく胸をしめつけるようなような残響をその場に残す。その中にある般若という存在はとても大きく強いけれど、夜の中に虚しさを1バースごと残していく。バースを重ねるごとに、悲しく冷たい雪のように降り注ぐそれは、般若以外の時間を止めたままそこに存在し続けるスノードームのようだ。
そんな暗い闇の中でも、進むものだけに道は続く。般若は進む。時計の針は"3時56分"を差す。無くしたものの大きさを知る。